忍者ブログ

インバーターインベーダー

Home > ブログ > ヴァンガード事件簿 > 便利屋ヴァンガードの事件簿 ①

便利屋ヴァンガードの事件簿 ①



キズナ「…最近仕事ないんだけど、うちの経営は大丈夫なわけ?」
ユキトラ「そう簡単に潰れるこたぁねぇが…まぁ…な。」
キズナ「あたしはバイト代さえちゃんと貰えればそれでいいけどね。」
ユキトラ「今日はアユムがちょっとした仕事行ってるだけで、
     実際ヒマではあるがな。」




彼らは便利屋ヴァンガード。
暇な日は暇だ。
それなりの対価でそれなりの仕事をする。
それ以外のことはしない。
世の中などそういうものと割り切った人間たちだ。






キョウコ「それじゃあそんな暇なトラさん達にお仕事あげちゃう!」
ユキトラ「帰れ。」
キズナ「早く帰れ。」
キョウコ「何よ!寄ってたかって!!」
キズナ「またろくでもない割に貰いが少ない仕事でしょ。
    はいはい、そういうのはパス。
    ただでさえアンタの仕事はグレーなのに。」
キョウコ「もう!今日はすごい仕事なんだから!!」
ユキトラ「帰れ。」
キズナ「早く帰れ。」
キョウコ「とにかくコレ見て!!」




疫病神が1枚の写真を取り出す。






ユキトラ「何だこれ。金貨か?」
キョウコ「ただの金貨じゃないわよ?
     なんと美術館の開館30周年記念で作った、
     金貨型特大金塊よ!すごいでしょ!」
キズナ「で、そんな写真を見せに来たわけ?」
キョウコ「コレね、今日盗まれちゃうかもしれないの。
     美術館に盗みの予告状が届いて。」
ユキトラ「ハッ、物好きな泥棒もいたもんだ。
     んなもん出さずにこっそり盗みゃいいだろうにな。」
キズナ「目立ちたいとか名を売りたいとか、そういうのじゃない?」
ユキトラ「泥棒が目立ったり名を売ってどうすんだって話だろ。」






キョウコ「で、コレを警護するお仕事。」
ユキトラ「警察行け、警察。」
キョウコ「もちろん警察も来るわよ。
     私たちはコレの側で見張るの。」
キズナ「めんどくさ…。」






ユキトラ「実際めんどくせぇ仕事ではあるが…。
     報酬の方は期待できそうだな。」
キズナ「え、マジで仕事引き受けるの?」
ユキトラ「金が入るに越したことはねぇ。」






キズナ「えー…。やだなぁ。キョウコの仕事ってだけでやだなぁ。」




キズナはキョウコが嫌いだ。
身勝手で我儘、他人を振り回す性分がとにかく嫌いだ。
そんなことはキョウコ本人以外全員思っているが、
キズナが一番それを嫌っている。






アユム「ただいま。仕事、終わらせてきたわよ。」
キョウコ「お・か・え・り~♡」
アユム「今すぐ帰れ。」

アユム「この人がここにいるってことは…。」
キズナ「ろくでもない仕事だよ。」
アユム「…やっぱり。」






アユム「で、受けるの?」
キズナ「…トラが高額報酬を見込んで受けちゃったよ。」
アユム「……。」
ユキトラ「そんな目で見るんじゃねぇ。明日は焼肉だ。」
アユム「私達、そういうので釣られるほど子供じゃないんだけど?」
ユキトラ「だから子供は嫌なんだよ。そういうこと言いやがる。」






ユキトラ「仕事がねぇよりあったほうがいいだろ?」
キズナ「仕事の出どころ次第だよ。」
ユキトラ「ぶーたれてんじゃねぇ。労働こそ国民の義務だ。」












キズナ「んで、コレがそのコイン型金塊、と。」
ユキトラ「盗みたくなる気もわかるぜ。
     コレがありゃ当分遊んで暮らせるからな。」
キズナ「馬鹿言ってんじゃないよ。豚箱送りだっての。」






アユム「あっちは異常なし。」
キズナ「キョウコは?」
アユム「アレをアテにしてるの?」
キズナ「まさか。」

ユキトラ「静かにしろ。外のお巡りさんたちが騒がしいぜ。」
キズナ「いよいよお出まし、ってところ?」






ルパソ「潜入成功だ!さーすが俺たち!」
ジゲソ「おいルパソ。気ぃ抜くんじゃねぇよ。」
ルパソ「わかってるってジゲソ。ゴエモソ、いくぜ!」
ゴエモソ「承知。」

(日本でいちばん有名な泥棒の三世のテーマ)

ルパソ「俺たちのテーマ曲がかかってる間は無敵だぜぇ。」






ユキトラ「そこまでだな、こそどろ。
     あとそれお前たちのテーマ曲じゃねぇだろ。」
ルパソ「うわー!チャカ持ってるぅ!!」






ルパソ「ジゲソ!ゴエモソ!一時撤退だぁってもうやられてるぅ!?」






キズナ「ワルサーもマグナムも斬鉄剣も持ってないんじゃね…。」
アユム「それにして弱すぎない?」

ユキトラ「お縄だな、こそどろさん達よ。」
ルパソ「やられた…。」




天賦の才という言葉がある。
彼らにはそれがなかったようだ。
後にルパソは思う。
そもそも予告状なんて出すんじゃなかった…、と。
ちなみにジゲソは反対していた。






キズナ「アイツラ、連行されてくね。」
ユキトラ「間抜けな泥棒だったな。」
アユム「でも外の警察の包囲は抜けてきたんでしょ?」
ユキトラ「みたいだな。」
キズナ「アイツラ、あれで全員かな?ミネ フヅコとかいそうじゃない?」
ユキトラ「フヅコは…」






ユキトラ「身内にいるかもな。」
キズナ「…アイツは…まったく。」

キョウコ「ハッ!?ち、違うわよ?金塊の安全を確認してただけで。」
キズナ「…まぁ取り繕うだけマシか…。」
アユム「むしろ開き直ったら人間としておしまいよ。」




ひとり、近づく影。
その影を一目見るとキョウコは急に部屋を出ていった。






ユキトラ「アンタか、湯上刑事。」
湯上「困るんだよなぁ、トラさん。警察の仕事もってってもらっちゃあよ。」




湯上刑事。
この地域の所轄の刑事だ。
あまり素行の良くない刑事ではあるが、腕は良い。
通称「鬼の湯上」。






湯上「アンタ達、そろそろ引っ張れるんじゃないか?
   捜査妨害かなんかで。」
ユキトラ「馬鹿言わないでくれ。捜査協力の間違いだろ。」
湯上「…また雌狐の仕事か?アイツに関わんのはやめとけよ。
   ろくな女じゃねぇよ。」
ユキトラ「身にしみてわかってるよ、そんなことは。」


湯上「今はグレーだよ、アンタらは。
   でも無茶してっと逮捕することになるぜ?」
ユキトラ「俺はな、法は犯さねぇ主義だ。」
湯上「そうあってくれよ。
   アンタがいないと困る人間もいるみたいだしな、街の便利屋さん。
   俺も引き上げるから、アンタ達も帰んな。
   捜査協力、ありがとうございました、ってな。」
ユキトラ「もう少し心を込めてほしいもんだな。そういうのはよ。」




湯上とユキトラはあまり相性が良くない。
が、キズナは気が付いていた。

コイツラは性根が同じだ、と。






キョウコ「…湯上刑事、行った?」
ユキトラ「お前、相当睨まれてんな、湯上刑事によ。」
キョウコ「悪いこと、してないもーん?」
キズナ「普通に嘘言ったね、今?」




便利屋ヴァンガードは日々仕事をこなす。
それが彼らの日常だ。




ー終ー











【編集後記】

さて、今回から始まったトラさんのスピンオフ。
いかがでしたでしょうか。
あまりクローズアップされない、トラさんの仕事を見ていただきました。

このカテゴリーのお話はいつもと違い、
このような形で後記を追加させていただきます。
少し説明が必要だったりするかもしれませんので。


今回登場した「湯上刑事」。
本編の人形劇には恐らく出てこないキャラになると思います。
この「便利屋ヴァンガードの事件簿」専用のキャラになるでしょう。

今後も時々書いていきたいと思います。
お話が肌に合わなかったら読み飛ばしておいてください。
本編とはほぼ関係ないようなお話なので大丈夫です。

こちらのトラさんは普段のぐうたらダメ大人と違い、
少しだけちゃんとしています(あくまで普段と比べて、ですが

ですがあまりシリアスになりすぎず、
トラさん達の持ち味を活かしたスピンオフにしたいと思っています。
よろしければまた見ていただければ、と思っております。かしこ。



PR

0 Comment

Comment Form

  • お名前name
  • タイトルtitle
  • メールアドレスmail address
  • URLurl
  • コメントcomment
  • パスワードpassword